どうも、理系大学院生のゆうもです。
僕は浪人して国立薬学部に進学、その後大学院まで進みました。
が、ぶっちゃけ理系に来たことをまあまあ後悔しています。
3年生までの授業やテストがメインのとき、そしてここまで約2年の研究室生活を経験しました。
そして感じたのは、理系にくるというのはやはり適性があって、その選択を間違うと人によっては確実に地獄をみるということです。
そこで今回は、薬学部を卒業した僕が思う、理系に向いている人、行かない方が良い人を紹介したいと思います。
理系に向いている人
まずは理系に向いている人です。これはけっこうシンプル。
- 研究、実験そのものが大好き
- 将来研究者になりたい
研究、実験そのものが大好き
ずばりこれが、理系に進むべきかを判断する上で最も重要です。
配属前は一般的な大学生と変わらず、授業を受けてテスト前になったら教科書でひたすら勉強して、という感じですね。
ところが研究室に配属されると、そんな生活が一変します。
学校行ってすることは基本的に実験です。
研究室には「コアタイム」という、最低限いなければいけない時間が存在します。
それはラボによって異なりますが、短いと言われている僕のところでも9:00~18:00です。
12時間とかって所も普通にあります。
このコアタイムの間は、研究室でずっと実験やそのデータをまとめたり、スライド作成や発表、先生(教授や助教)とディスカッションすることになります。
もう、実験・研究漬けになるわけですね。発表やディスカッションでは教授や指導陣にボロクソ言われたり・・・
普通に考えてみてください。特別好きでもないのに毎日そんな生活を送りたいですか?
別にお笑い芸人になりたいわけでもないのにNSCに入るようなものです。
しかも、これはあくまでコアタイムの話。毎日朝来て、帰る頃には日付が変わってるなんて研究室もざらにあります。
ちなみに、僕の個人的な判断基準なのですが。
小学校から高校で理科の授業でときどき、理科室に行って実際に器具や装置を使って実験することがありましたよね。
あの時間が楽しみだったり、ワクワクしていましたか?
そういう感覚を持っていたかどうかが最低条件だと思います。
もし苦痛だったら言わずもがな、特別何も思わなかったという場合であっても理系に進まない方が良いです。
僕は「移動も実験も面倒くさいから普通に教室でやってくれ」って思ってました。絶対に進んだらだめなタイプですね。
将来研究者になりたい
将来的に研究者になりたい、または企業の研究職に就きたい、という人は理系に進む必要があります。
アカデミック(大学)で研究する、あるいは民間の研究職で新しいものを生み出す、というのは理系に進まなければ就くことができない、素晴らしい仕事だと思います。
しかしこの場合、2点注意することがあります。それは、
- 研究職は狭き門
- 基本的に博士
ということです。
どの企業においても、研究職というのは採用人数が限られている非常に狭き門です。
せっかく研究を頑張っても、望んだ分野の研究職に就くのはさらにその中の数パーセントであることを覚悟しなければいけません。
そして僕も大学に入るまで知らなかったのですが、研究職は基本的に博士を採ります。
これは博士の専門性、即戦力が期待されることが多いためです。
修士はどっちかというと学部卒に近いポテンシャル採用で、開発や生産といった研究職以外の理系職に就きます。
研究職=9年間学生、と思った方が良いです。
理系に行かない方がいい人
続いて理系に向かない人の特徴を紹介します。
- ただ理系科目が得意だったから
- 手に職がつきそうだから
- 飽きっぽい
- 給料が良さそうだから
ただ理系科目が得意だったから
ぶっちゃけ、これは僕のことです。
といっても、理系学部には同じような人がたくさんいると思います。
高校では文系科目より数学や化学が好きで、点数も良く取れていました。
解いてて楽しいし、自分は理系だな!
ところが、大学に入ってから学ぶ物理や化学は、高校のそれとは全くの別物でした。
今までの考え方が通用しないし、初めて「教科書を何回読んでも何いってるか分からない」ということを経験しました。
高校で習ってきた化学がほとんど嘘だということが分かったり・・・
高校の理科とか数学っていうのは、子どもでも理解できるように配慮されたものなんですね。大学からは最前線の研究者と同じ学問をしなければいけません。
だから教科書も、基本的に手加減はなし。
あと、薬学部ということもあって、ひたすら暗記する科目も多かった。
軽く挫折し、そのまま大学の勉強が楽しくなくなっていきました。
そんなわけで、高校数学、化学ができたところで何のあてにもなりませんよ。
手に職がつきそうだから
これを狙って理系に進むのであれば、国家資格が取れる医療系か、一部の工学部を目指してください。
専門知識や技術を身につければ、食いっぱぐれることはないと思いがちですがそんなことは全くないです。
技術や実験手技というものは、日々とてもはやいスピードで進化しています。
学生時代に頑張って身につけた技術が、10年後も重宝されている可能性は低いです。
実際、今僕がメインで手作業で行っている「ウエスタンブロット」という手法、多くの企業ではすでに機械を使って自動化しています。
当然ですが、人がやるより速くて正確です。
インターンから帰ってきた先輩からこれを聞いたときは、けっこうショックでした・・・
知識も同じです。いくらその分野の専門でも、常に新しい情報を取り入れなければ、使えない人材になってしまいますね。
安泰という意味で手に職をつけたいのであれば、ある程度の身分を保障してくれる医療系(医者、看護師、歯科医)に行けばいいと思います。
飽きっぽい
すぐ飽きてしまう人も理系には向いていません。
実験というのは基本的に地味であり、同じ事の繰り返しです。
NHKの「大化学実験」みたいに、誰が見てもワクワクするようなものではありません。
液体加える、遠心する、待ち、液体加える、遠・・・
ひたすら地味。
特に生物系は待ち時間が長かったり(2~6時間ぐらいはざら)結果も見ただけでは分からないものが多いため、退屈に感じる人も多いかもしれません。
逆に、ポケモンのレベル上げとか、そういう作業ゲーみたいのが好きっていう人にとっては何ともない(むしろ楽しい)と思います。
給料が良さそうだから
文系か理系かを給料で決めるのはやめましょう。
平均年収でいうと、理系の方がちょっぴり高いみたいですけど。
大学院にプラスで費やす時間や勉強量、研究室生活の重さを考えると、圧倒的に割に合ってないです。
お金より「やりたいこと」を第一に考えてください。
まとめ
最後にもう一度言います。
理系に進むべきかどうかは、心から実験や研究が好きかで判断してください。
これがなければ100%後悔します。
例えるなら、
好きでもない仕事を、一切給料をもらわずに毎日9時から22時(もしくはそれ以上)まですることができるでしょうか?
仕事であれば、転職は一般的になってきてますが、大学の中退や編入にはよっぽどの覚悟がいります。
「やめたいけど、入ってしまった以上逃げることもできない」と無理をして、鬱になる場合もあります。
学部で卒業するのも一つの手
もし今2年生とかだったら、ぶっちゃけ4年で卒業することを考えるのもありです。
だいたいは研究室に入ってから後悔します。もうその時点で就活には間に合わないので、修士まで行ったりしちゃいます。
そうならないために、できるだけ早いうちに判断できるといいですね。
理系を否定しているわけではない
ここまで理系を否定的に書いてきましたが、僕は別に、理系そのものを否定しているわけではないです。
人間の生活がここまで豊かになったのは技術の進歩があったからで、それを支えたのは理系に他なりません。
理系は、とても魅力的だと思います。
しかし、その分つらいことも多く、安易に進路選択するともれなく地獄のような日々を送る可能性があるのです。
本当にこの道で良いのか、曖昧なままではなく、一度真剣に考えてみることをおすすめします。